命に関わる症状を早く見つける


 過去の災害では、地震発生後から1ヶ月以内に災害関連死が急増しています。十分な医療体制が整わない中で、体調を崩し、最悪、死に至ってしまうこともありました。しかし、専門家ではなくとも、私たちで判断して、病院につなげつことができれば、命を助ける可能性があります。

 


病院につなぐ必要があるわけ

  • 避難所到着後、急激な体調変化をおこしたり、急に持病が悪化することがある。
  • 人工透析をしている人は、医療が受けられないと急速に症状が悪化する。
  • 高齢者は水分や食事を取らなくなり傾向があり、免疫力の低下をまねき、肺炎やインフルエンザの万円につながる。
  • 災害による精神的ショックに加え、飲まない、食べない、眠れない、トイレ環境が整っていないなどが引き金になり、脳卒中や心筋梗塞、心不全などが起きやすくなる。
  • 我慢する人や、恒例で体の異変を感じにくい人があり、重症化してから発見される。
  • 軽い症状に見えても一刻をあらそうこともある。

気になる人の見つけ方・対処

本人や周囲が

「何かおかしい」

「いつもと違う」

と感じた時、

  • チェックリストで確認する
  • 「いつもの様子」をよく知る人や家族知人などに確認する。
  • 避難している人で医療や福祉の知識がある人を探し出し、判断の協力を求める。
  • チェックリストに当てはまる、もしくは判断に迷ったら、すぐに病院に運びましょう。

自分たちで病院に運ぶ

 大規模な災害時は、救急車は来ないかまたは到着まで時間がかかるため、自分たちで運ぶという判断も必要です。戸板・ブルーシート・椅子など、あるもので工夫して運びましょう。

 


【クラッシュ症候群:元気に見えても、2時間挟まれた人はすぐ病院へ】

  • □がれきや重量のあるものに挟まれていた
  • □挟まれていた部位がパンパンに腫れている・点状に出血している
  • □挟まれた部位が動かない・触っても感覚がない
  • □紅茶色の尿が出る

 

【何らかの異常がある、以上のサインを発見したら、すぐ病院につなぐ】

 

 ** 本人からの訴え **

  • □胃がムカムカする、おう吐した、いどい下痢
  • □激しい頭痛、吐き気がある、右肩から背中に痛みがある
  • □食欲がない
  • □水に長時間浸かっていた、濡れた衣服をずっときていた(低体温)
  • □汚れた木材や土・釘・ガラス片などでけがをした
  • □煙を吸い込むなどして声がかすれている

 ** 見た目でのサイン **

  • □骨折している、出血している
  • □やけどをしている
  • □声をかけても反応しない
  • □表情がぼんやりしている、目の焦点が合わない
  • □ぐったりしている
  • □じっとりと冷や汗をかいている
  • □うわ言を言う、うなっている
  • □大きないびきをかいている
  • □しゃべらない、しゃべれない
  • □話のつじつまがあわない、簡単な指示に従えない
  • □顔色が赤い、青い、土気色
  • □光熱がある、震えている
  • □手足の先が紫色、手足が麻痺して動かない
  • □水を飲まない、飲めない
  • □ソワソワしている、体の動きが多い